さて、ここで問題。古くは上原謙、小沢栄太郎、荒井注、加藤茶。近年では、お笑いコンビ「極楽とんぼ」の山本圭壱、山寺宏一。彼らの共通点は何か。
そう、いずれも30歳以上も年の離れた女性と結婚した芸能人なのである。
そんな中にあって、30歳差まであと少し届かなかったものの、28歳年下の女優・斉藤とも子と再婚し、当時「熟年の星」と世の男性から羨む声が上がったのが関西のコメディアン、芦屋小雁だ。 小雁は当時、53歳。斉藤は25歳で、2人は小雁の兄・芦谷雁之助の舞台「娘よ」の公演で出会い、交際に発展。1987年1月11日に神奈川県川崎市内の教会で挙式した。そして1月15日に大阪・読売テレビで記者会見を開いたのである。
小雁は前妻と17年間別居状態で、前年11月に正式離婚しており、
「最初に惚れたのは僕です。巡業が終わって会えなくなって、ああやっぱり好きなんだなぁ、と。僕のほうが子供っぽいから、年齢差はあまり感じないようです。喧嘩はひとつもありません。絶対、最後まで2人でいきます」
汗を拭き拭き、そう宣言。一方の斉藤ものろけっぱなしで、
「年の差がどうのこうのいうより、こんな人と出会えたのが嬉しい。彼は少年みたいな人だもの。どうしてもこの人と一緒に歩きたいと思いました」
結婚後ほどなくして、2人には一男一女が誕生。結婚生活は順風満帆と思われた。しかし、結婚9年目を迎える1995年11月、スポーツ紙に2人の離婚がスッパ抜かれる。11月10日、小雁が記者会見を開くことになった。
「離婚を言い出したのは、僕のほう。僕が家庭を顧みず、夫婦の対話がなかった。部屋の中で夜中にものを書いたり、深夜2時や3時から映画を見て研究し、朝6時ぐらいに寝る生活で…。とも子には悪いことをしました。思いやりが欠けていました」
続いて会見に臨んだ斉藤も言う。
「(小雁は)自由にしている時が素敵な人。私は突き詰めるタイプなので、小雁さんは息苦しかったのでは。そんなことが積み重なり、一緒に家庭を持つにふさわしくないと思いました」
この離婚には当時、世間から「やっぱり年齢のギャップは埋まらなかったのか」との声も聞かれた。だが、しかし! 離婚から1年後の1996年7月、なんと小雁が女優・勇家寛子と電撃再々婚。しかも、今度は30歳差だという。在阪テレビ関係者を取材すると、
「独身になった小雁さんに対し、勇家が猛アプローチして結婚に至ったと聞いています」
というから、ぶったまげたものである。
兄の雁之助は「呆れかえってものも言えない」と冷笑した、と伝えられる。誰が言い出したか知らないが、まさに「女房と畳は…」を地で行く再々婚劇となったのである。
(山川敦司)
1962年生まれ。テレビ制作会社を経て「女性自身」記者に。その後「週刊女性」「女性セブン」記者を経てフリーランスに。芸能、事件、皇室等、これまで8000以上の記者会見を取材した。「東方神起の涙」「ユノの流儀」(共にイースト・プレス)「幸せのきずな」(リーブル出版)ほか、著書多数。
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