10月7日放送の『報道特集』(TBS系)は、〝圧力と忖度〟について徹底調査を謳い、退職者含むTBSの社員や関係者への聞き取り結果を公表した。その結果、圧力があった・なかったと意見は分かれ、かなり具体的な証言も飛び出す。
中でも気になるのは、制作経験者の「気に入らないことがあるとすぐに『タレントを引き上げるぞ』と言うため、企画がガラッと変わるなど、振り回された感があった」という証言だ。
これは、ジャニーズはジャニーズでも、現在は『新しい地図』に属するCULEN社長・飯島三智氏の常套手段だったと言われている。
「『タレントを引き上げる』というのは飯島氏の決まり文句です。これを裏付ける証言として、元フジテレビアナウンサーの長谷川豊は、2018年5月1日のブログで稲垣吾郎逮捕時のエピソードを暴露しました。
〝稲垣容疑者〟という呼称に反発した飯島氏が、《もうSMAPを『SMAP×SMAP』に出させない!》とタレント引き上げを脅しに現場へ介入し、〝稲垣メンバー〟と呼ばせたことが明かされました」(芸能ジャーナリスト)
聞き取りが行われたTBSは、さらなる介入がウワサされていた。
「ジャニーズ事務所と一口に言っても、内部では飯島氏・ジュリー氏の管轄ごとに事実上別会社だった。これはかつて〝派閥〟と呼ばれ、芸能メディアで頻繁に取り上げられていた話題です。
この派閥を作ったのが飯島氏で、2010年前後から自分の担当タレントで徒党を組み、ジュリー班のタレントとは共演させない閉鎖的な運営をしていた。これは、高齢であるジャニー喜多川氏の次期社長を狙った権力闘争と言われており、その裏で圧力も働いていたのです」(同・ジャーナリスト)
事務所内で飯島班とジュリー班が対立
特に被害にあったのは、ジュリー班の看板である『嵐』だという。
「TBS系の歌番組でいえば、2010年の『うたばん』終了以降、『ザ・ミュージックアワー』『カミスン!』『火曜曲!』といった中居正広MCの音楽番組に、『TOKIO』『嵐』『関ジャニ∞』『NEWS』といったジュリー班のグループはほぼ出演しなかった。
11年から始まった毎年夏の特番『音楽の日』も、飯島氏在籍時代はジュリー班が一切出演していません。特に『嵐』は、活動休止を発表した2019年まで、実に14年もの間『CDTV』に出られませんでした。
この不自然なキャスティングの裏にいたのが飯島氏。彼女は『SMAP』人脈でTBSに顔が効くため、邪魔な存在であるジュリー班を起用しないよう圧力をかけていたと言われています」(テレビ制作関係者)
TBSは中居・木村拓哉・草彅剛のドラマをはじめ、中居MCの音楽番組や『金スマ』など、飯島班タレントの番組が特に多い。当然、その影響力も強いことがうかがえる。
「実際、当時の制作局バラエティー制作部長は『うたばん』『金スマ』をプロデュースした人物で、飯島氏とも懇意。派閥問題が過熱していた頃は、中居と『Kis-My-Ft2』玉森裕太のドラマ『ATARU』、香取慎吾と山下智久の『MONSTERS』、藤ヶ谷太輔と北山宏光の『ビギナーズ!』などが放送され、TBSにおける飯島班の影響力は絶大でした。
2013年、『嵐』の冠番組『ひみつの嵐ちゃん!』が突如終了したのも、飯島氏の差し金だという説が有力です。こう見るにつけ、『報道特集』で証言された〝圧力のヌシ〟は、飯島氏だったと予想されます」(芸能記者)