『人気のお笑い芸人だけ集めれば面白くなる』という時代は終わったんです。そのことに気づけない制作局に絶望している局員が多数いますよ」
そう嘆くのは、TBS関係者だ。10月23日、同局の新バラエティ番組『ジョンソン』の初回2時間SPが放送された。ビデオリサーチの調べでは、平均世帯視聴率は4.6%(関東地区速報値)、平均個人視聴率は2.8%だった。
「この番組は、2005年から2013年まで放送されていた『リンカーン』の後継番組です。
『芸人の芸人による芸人のための番組』をコンセプトに、『リンカーン』はダウンタウン、さまぁ~ず、雨上がり決死隊、キャイ~ンの4組をメインキャストに迎え、人気番組に。
そして『ジョンソン』で、彼らの“後継”として指名されたのが、かまいたち、モグライダー、見取り図、ニューヨークです。売れっ子芸人ではありますが、かねてから“先代”と比べて厳しい声を寄せる人たちがいました」(週刊誌記者)
『ジョンソン』の初回企画は、芸人が総登場する大運動会「ジョンソン芸人大運動会2023」。これは、『リンカーン』の大人気企画の1つだった。所属事務所も違う、多くの芸人がスケジュールを合わせ、1日がかりで収録するもので、『リンカーン』時代はこの企画がきっかけでレギュラーを掴む芸人もいたほど。
しかし、『ジョンソン』初回は、酷評のオンパレードだ。ネット上での声を見てみよう。
《第一回全部見ましたがしんどいくらいグダグダでした。アドリブ力がなさすぎる。力ないなりに全力でやってほしい。何よりレギュラー陣が厳しい。濱家さんは山内さんのおかげで出られているだけで何も面白いことない。見取り図ニューヨークはゴリ押しで出ているだけで平場弱い。リンカーンの後継番組とか言わない方がよい》
《やっていることは大運動会で一緒だが出演者が違うだけでこうも違うのかと思わされた。芸人さんの経験不足なのかそもそもの実力が足りないのかイマイチ判らないがとにかくつまらなさが際立った ダウンタウンのリンカーンという番組の名を借りて箔をつけたかったのだろうが今のところ逆効果だと思う》
《放送を楽しみにしていたが、新鮮さ、オリジナリティは感じられず、リンカーンをそのままパクっただけの内容。より一層リンカーンの面白さが目立ってしまった》
あるお笑いライターは、「今回はリンカーンと同じことをさせたスタッフが悪いかなぁと思います」と、酷評の原因を分析する。その背景には、3つの要因があるという。
・レギュラーメンバーと先代の「キャリアの差」
「『リンカーン』が始まった当時のメンバーと今回のメンバーとの年齢差はあまりないですが……20代からレギュラーや冠番組を持っていたダウンタウンら4組と比べると、『ジョンソン』のレギュラーは、かまいたちをのぞき、ここ数年で売れた芸人たちです。実績が違いすぎるため、『リンカーン』と同じ企画をすると、キャリアの差が如実に見えてしまうのです」
・時代の変化
「数年前、“人を傷つけない笑い”が話題となりましたが、若い世代は運動会で全員でゴールするなど、競わない教育を受けてきた人も多い。メインツッコミのかまいたち・濱家さんも、『なるべく多くの芸人に見せ場を作ってあげよう』という雰囲気がありました。それがかえって、まとまりのないように見えたのかもしれません。浜田雅功さんだったら、つまらない時はバサッと切る強めのツッコミなので、メリハリがありましたからね」
・メインレギュラー以外の芸人のキャリアも少ない
「『なんか見たことあるな……』くらいの芸人も出演していたため、全体的に出演者が弱く見えました。今回はリンカーンの目玉企画の運動会を行ったことで、当時と比べてよけいに物足りない感が出たように思います」
だが、笑いは変化していくもの。「『ジョンソンメンバー』だからこそ面白くできる企画というものも出るはず」とお笑いライターは明かす。果たして、進化を見せてくれるのだろうかーー。
https://news.yahoo.co.jp/articles/29fc335e9102dd79c1ef977dd71983499b79e61a